【簿記1級合格への道】経過勘定項目について

簿記試験

こんにちは、ヒトツメです。
そろそろ簿記1級試験も3か月半ほどとなって、いよいよ試験に向けて勉強時間が増えてきました。自ずと、「やらないと」という気持ちになり、勉強にも勢いが出てきます。
今日はそんな中で、少し復習も兼ねて、基本的だけれども落としがちなポイントを、会計学の試験の観点から見ていきたいと思います。

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経過勘定項目とは

中でも今日取り上げるのは、経過勘定項目と呼ばれるものです。企業会計原則注解の注5に出てくるもので、前払費用・前受収益・未払費用・未収収益の4つを指します。それぞれ似て非なる概念でそれぞれが対になる概念です。
会計学の試験問題的な観点から見たときに問われるものとしては、正誤問題で、これらの項目に関して、「一定の契約に従い、一時的な役務の提供を~」といった説明文が記載されてる(正しくはいずれも「継続した役務」に関する勘定項目)ものが考えられます。

また、説明文に関して、ほかの定義が持ち出されていることも考えられるので、正確に把握しておく必要があります。

企業会計原則注解の定義

そこで、正確に把握するために、企業会計原則注解の定義を確認すると、それぞれ次の通りとなります。

  • 前払費用:一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、いまだ提供されていない役務に対し支払われた対価
  • 前受収益:一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、いまだ提供していない役務に対し支払を受けた対価
  • 未払費用:一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、すでに提供された役務に対していまだその対価の支払が終らないもの
  • 未収収益:一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、すでに提供した役務に対していまだその対価の支払を受けていないもの

先に見た通り、これらはいずれも一定の契約に従い、継続して役務を受けたり行ったりする場合に発生するものです。そうでない契約より生じるものは、それぞれ、前払金・前受金・未払金・未収金となるので注意が必要です。

重要なのはこれらの定義のその先で、損益計算書や貸借対照表にどのように記載されるかという点です。
表でまとめると次の通りになります。

損益計算書貸借対照表
前払費用当期の損益計算から除去貸借対照表の資産の部に計上
前受収益当期の損益計算から除去貸借対照表の負債の部に計上
未払費用当期の損益計算に計上貸借対照表の負債の部に計上
未収収益当期の損益計算に計上貸借対照表の資産の部に計上

一見すると、マトリクスで覚えにくい、という感じかもしれません。ただ、日本語の意味から考えるとよくわかります。例えば前払費用の場合、費用だけれども、先に払っているだけだから当期の損益計算書からは除去しなければならない。その上で、費用として払っているけれども、先に払っていてそのあとそれに対する役務を受ける権利を保有しているから資産になる。
未収収益の場合、まだ受け取っていなけれども当期受け取ったものとして考えるべきだから、損益計算書に計上しなければならい。その上で、受け取っているものとして素直に資産として受け入れる。

このように、それは何のために仕訳をするのか、その背景に何があるのか、と考えると意外と素直に理解することが出来ます。

さいごに

さらに会計学の試験の観点で行くと、企業会計原則注解の注1から、「前払費用、未収収益、未払費用及び前受収益のうち、重要性の乏しいものについては、経過勘定項目として処理しないことができる。」という部分については問われる可能性が高い部分です。
基礎的なところであるからこそ、しっかりと理解をして、点数を取りこぼすことがないよう、十分に注意する必要があります。

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