【簿記1級合格への道】連結会計の解き方

簿記試験

こんにちは。ヒトツメです。
今日は、連結会計の問題の解き方について、考えていきたいと思います。

連結会計に関しては、非常に論点が多くややこしい一方で、何かしら毎回問われているので、やはり避けては通ることができません。税効果など様々な論点に影響が及ぶので、それらを網羅的に解説することは残念ながらこの場ではできませんが、流れを理解し、計算のポイントを抑えておくだけでグッと正答率が上がると思いますので、是非参考にしていただければと思います。

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タイムテーブルを書く

連結会計において、おそらく誰もが最初にすることは、タイムテーブルを書くということです。大抵どんな解説書でも、保有する株式の比率・子会社の資本金などの価値・のれん、といった項目が記載されたタイムテーブルを書くと思います。
問題文から子会社の価値に関するポイントを拾い、取得時の子会社の価値を算定した上で、出資金額を保有株式の比率とのれんに分けて記載するというのが一般的な流れです。
イメージとしては、次のような感じです。

ただ、この時、非支配株主持分を記載する方が、問題がスムーズに解けることが多いと思います。
アップストリームがなければ、非支配株主持分は、評価差額を含む子会社資本に非支配株主持分比率をかけ合わせれば計算することはできます。
ただ、子会社資本がどのように変化し、それによって非支配株主持分がどのように変化したかをきちんと把握することで、計算がスムーズになり、より正答しやすくなると思います。

ちなみに、アップストリームがある場合、それによって貸倒引当金に差異が生じるなど、利益剰余金に差異が生じることとなります。そのようにして発生した利益剰余金変動額に、非支配株主持分比率を掛け合わせたものを加減することで、非支配株主持分を計算することができます。

未達を整理する

ここまでできれば、少なくとものれんの額やのれんの償却額の項目はそうそう間違えることはありません。親会社子会社間での取引などがなければ、問題はほぼこれだけで解けてしまいます。
ただ、たいていの問題では、親会社子会社間で取引があるため、それを整理し、成果連結を出す必要が出てきます。

そこでまず最初に、個別計算書上表れていない処理を把握し、正しい個別計算書を作成するための情報を整理します。これが未達の整理です。
例えば親会社から子会社に対して商品を掛けで売っており、その商品が子会社に未達のケースなどがあげられます。この時、親会社の売上と売掛は計上されていますが、子会社の仕入と買掛は計上されていません。なので、それらを計上し、個別計算書を正しい状態にする必要があります。

商品取引の相殺消去と未実現利益の消去

ここまでで、成果連結のための基本的な情報の整理が完了したことになります。
連結というと、連結間での商品取引や未実現利益の計算に重きが置かれることが多いですが、ここまでの整理ができて初めて、商品取引の相殺消去と未実現利益の消去を行います。
具体的には、内部取引によって得た利益を消去し、あるいは棚卸利益に含まれる販売元で計上した利益を消去する作業です。

この処理は、問題に慣れていかないとスムーズに説くことは難しいですが、期初の状態における未実現利益、期中の内部取引による利益、期末の状態における未実現利益を図解しながら把握し、連結の中で発生している見せかけの利益を相殺していくというイメージで進めると、処理できると思います。

さいごに

細かな論点については、問題を解きつつ、解説書の解説を読みながら理解していくしかありません。ただ、この流れを把握していると、「そもそも問題をどのように解いたらいいかわからない」ということは起きにくいと思います。
ほかにも段階取得や追加取得、子会社株式の売却の場合など、論点は数えきれないほどあります。ここでは一つ一つの論点の解説は割愛しますが、それぞれの論点がこれらの流れのどこに位置するかを意識しながら解くと、忘れにくいと思います。
※個人的に使っているまとめシートを乗せておくので、こちらも参考にしてください。

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