【独学で社労士!】労働基準法を徹底解説!その3

社労士試験
  • 試験に出やすいポイントを含めて、労働基準法を徹底解説します!
  • 間違えやすいポイントも交えて、備忘録的に解説していきます。

前回は労働基準法が定める労働契約・賃金・労働時間について解説しました。

労働基準法では、労働者が、労働の対価として得られる賃金を生活の基盤としていることから、これを簡単には奪えないようにするよう規制をしつつ、ワーク・ライフ・バランスを保つために、過度な労働についても制限していました。

今回は、労働基準法の解説の最後として、このような労働基準法の適用が適切ではないケースや、さらに制限をした方がいいとされているケースについて解説していきます。

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適用除外

マネージャーは36の外

一番身近な適用除外は、いわゆるマネージャー職の人たちです。
法律上は、第41条2号に定められている「監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」です。

こういった人たちは、一般に36協定の外にあるといわれており、一般的な企業では、残業代が出ず、固定給で労働しています。

法律的には、労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用を受けないとされており、週40時間以内の規定や、時間外労働の賃金に関する加算の規定の適用を受けません。
これは、管理職にある者は、「管理」という、時間に対して賃金が支払われる性質を持たない業務に従事していることに起因しています。

よく、「管理職は労働基準法の適用を受けない」と誤認している人がいますが、これは誤りで、あくまで労働時間などの適用を受けないのみなので、有給休暇や深夜業、産前産後休の規定は適用されるので注意を要します。

家事使用者

また、同族経営の家族や、家事使用人は、労働基準法の適用を受けません
これは、ドメスティックな家庭の問題に、法律が介在するのは不適切であるという理屈によるものです。

したがって、いわゆる住み込みの家政婦さんについては、労働基準法の適用を受けません。
ただ、同じ家政婦さんでも、家事代行のサービスを請け負う会社で雇われている人たちは、労働基準法が適用されるべきです。なので、個人家庭における家事を事業として請負う者に雇われて、その指揮命令のもとに当該家事を行う者については、労働基準法の適用除外の対象である家事使用人には該当しないとされています。

家族の場合も同じく、賃金と指揮命令が存在する場合には、労働基準法の適用を受けるとされています。これらが発生することで、使用者と労働者の間のドメスティックな関係が、より社会性のある法の規制を受けるべきものに変質すると考えられているわけです。

追加規制

子どもの場合

以上は、労働基準法の適用を受けない、適用除外の場合でしたが、それとは別に、労働基準法は特定の属性の者を労働者とすることに対してさらなる制限を加えています。
その代表が、子どもの場合です。

法律上は年少者という用語で定義されますが、満15歳に達した以降最初の3月31日が終了するまでの間、一定の場合を除き、労働させることは禁止されています。
要するに中学を卒業するまでは労働は原則NGということです。

また、満18歳未満の者についても、自ら判断して労働することができない可能性があるため、裁量労働制やフレックス、36協定による時間外労働などは禁止されています。
成長という観点から、深夜業も禁止されており、午後10時から午前5時(13歳未満の場合は午後9時から午前6時)までの労働も禁止されています。

女性の場合

また、女性の場合にも、様々な制限がされています。
女性は男性と異なり、妊娠している可能性があり、また、産後は体力的な制限も起きることから、30キログラム以上の重量物を扱う労働や有害物質の発散を伴う労働は全面的に禁止されています。

加えて、妊娠している場合や産後1年の場合には、著しい振動を伴う労働は禁止されており、産後6週間以内の労働も全面的に禁止されています。
産前の労働及び産後6週間から8週間の間の労働も制限されていますが、自ら労働することを希望し、医師が認めている場合は労働してもよいとされています。

最後に

労働基準法の基本的な考え方は、以上の通りです。
後は過去問を解きながら、基本的な考え方と紐づけながら、細かい論点を頭に入れておけば、徐々に点数が上がってくると思います。

次回は、労働安全衛生法について解説していきます。

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