【趣味のお話】コーヒー:自家製酵母から食パンを作る

こんにちは。ヒトツメです。
前回は、レーズンから自家製酵母をおこす時の過程を投稿しましたが、今回はそれに引き続き、自家製酵母から食パンを作る作り方についてです。

前回説明の通り、手順としては次の通りですが、工程ごとに少し詳しく、解説をしていきたいと思います。

  1. タッパーに空けて、50ccの水を足し、強力粉を200g混ぜ、6時間ほど発酵させる
  2. 200ccの水と200gの強力粉、5gの塩を混ぜて3~5時間ほど発酵させ、冷蔵庫で一晩寝かせる
  3. 発酵させたもの(元種)を560g、強力粉220g、砂糖20g、バター20gを混ぜ、一塊にこねたら6時間ほど発酵させる
  4. 発酵させた生地を半分ずつにして、麺棒で伸ばして空気を抜き、丸めて食パン用の型に入れる
  5. 4時間ほど発酵させ、型の75%くらいまで生地が膨らんだら、180度のオーブンで35分焼く
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元種を作る

レーズンエキスから元種を作る

前回、レーズンと水、はちみつを使って、1週間かけてレーズンエキスを作りました。まずはそこから、元種と呼ばれるものを作っていきます。
作り方は非常に簡単で、レーズンエキスと同じ量の強力粉を混ぜて、発酵させるというだけです。基本的に、元種は、水と小麦粉と、同じ分量で混ぜた状態で管理するため、レーズンエキスが150ccできれば、150gの強力粉を混ぜて作るというのが基本です。
ただ、この時、液体をすべてレーズンエキスとしてしまうと、過発酵となってしまう可能性があります。なので、少し水で薄めて、200ccになるようにしたうえで、200gの強力粉を混ぜるという方法を採ります。これにより、部分的に発酵が進みすぎ、過度にアルコールなどが発生することを抑制することができます。

また、レーズンエキスは、もともと欧米で作られていたものです。欧米では水には軽金属が溶け出しており、カルシウムなどが豊富に含まれた硬水となっています。一般に硬水の方が、発酵した時に出る二酸化炭素の量が多くなるといわれており、よりパンが膨らみやすくなります。
一方で、日本は軟水なので、発酵した時の二酸化炭素量が少なく、パンを焼いたとき縦に膨らまず、横にベタっと広がってしまう場合があります。そこで、人によってはにがりを入れて、発酵力を高めたりするケースがあります。
僕は、元種を作るときに塩を入れ、軽金属であるナトリウムを足すことで発酵力を高めるという方法を採っています。目安としては、元種に関して、1%前後の塩分量となるように調整しています。

元種の掛け継ぎ

このように、レーズンエキスに強力粉を混ぜ、発酵させると元種ができ、そこからパンを作ることができるのですが、元種には、何か特殊なものが入っているわけではなく、かなりざっくり言うと、小麦粉と水が混ざったものに酵母が混ざった状態です。なので、少しずつ水と小麦粉を足しながら培養していけば、半永久的に使い続けることができます。
そこで、ある程度発酵できた状態で、手順の2のように、水と強力粉を足してかき混ぜ、必要な量よりも少し多く元種を作ります。そこからさらに全体に酵母がいきわたるように発酵させ、元種を使い続けられるようにしていきます。

このようにしてできた元種は、一晩冷蔵庫で寝かせると、全体にぽつぽつと細かい泡が出てきます。この状態からパンを作ると、発酵力もあり、美味しいパンができます。

元種を使い続けるために管理するは少しコツが要りますが、使い続けるには、次のような点を守ると良いと思います。

  • 必ず冷蔵庫に入れて保管をし、2日に1回は必ずかき混ぜ、アルコールっぽい香りがしてきたら水と強力粉を50g~100gずつ足してかき混ぜること
  • 元種が倍量以上になる量の水や強力粉を一気に足さないこと
  • もっちりとした状態を維持し、水っぽさが出てくれば、水と強力粉を足してかき混ぜること
  • 淵などに残っている元種はふき取るなどし、清潔な状態を心がけること

この時、塩分量が1%になることを目安に塩を足すことを忘れないようにしてください。また、ヨーグルトのような酸っぱいにおいがしてきたら失敗なので、諦めて使わないようにしてください。

食パンの生地を作る

混ぜる前に置いておく

このように管理して、酵母を維持した元種から、食パンを作るときの最初の手順が3の手順です。
この時、混ぜる前に、材料をボウルに出し、1時間~3時間程度置いておき、元種の温度を少し上げることが重要です。
元種の上に強力粉、バター、砂糖を載せて置いておくと、元種が膨らみ、強力粉の間に亀裂が入ります。その状態まで置いておいた上で、一塊になるまで混ぜるようにしてください。

元種が膨らみ、上に乗せた強力粉を包み込むようになっている状態。ここからこね始める

はじめはスプーンでぐるぐるとかき混ぜ、一塊になれば、手で全体にこねるようにすると、うまくこねられると思います。

一塊になった状態。まだ少し手に生地がつくので、スプーンなどで手から生地をこそげて一塊にする

ここからが一次発酵

一塊になった生地に蓋をし、乾燥しないようにして、6時間ほど発酵させます(夏場は短く、3時間程度で大丈夫です)。これがようやく一次発酵となります。
生地が倍量程度になり、全体に結合が強くなることで、生地を触っても手に付く感覚がなくなった状態が理想です。

生地全体にハリが出て、ツヤがでてくる状態になれば、一次発酵は完了しているので、そこから二次発酵に向けて準備を進めます。

倍量に膨らんで、全体にツヤが出てきた状態

食パン型に入れて冷蔵庫で二次発酵

二次発酵の際には、発酵が完了してすぐに焼き始められるように、食パンの型に入れて発酵させます。この時、一次発酵した生地のガスをしっかりと抜いてあげることが大事です。
なので、生地を半分にし、麺棒で1cm程度の厚さになるまでしっかりと伸ばします。伸ばした生地は、縦方向に三つ折りにし、縦長の生地を端からくるくると巻きます。巻いた生地は薄くバターを塗った食パン型に入れて、冷蔵庫で数時間~24時間程度寝かせます。

一次発酵が終わった生地のガス抜きを行い、麺棒で広げた後三つ折りにした状態。これを端からくるくると巻いていく

生地が食パン型の75%程度まで膨らめば、最後に180度のオーブンで35分焼けば、食パンの完成です。二次発酵が完了した時、ほんのりとワインのような香りがするのが理想です。

二次発酵が完了した状態。型の75%くらいまで膨らんだら、焼き初めの目安

失敗ではありませんが、食パン生地の端で、風船のような小さなふくらみができていたり、それを超えて、触れるとしぼんでしまうくらいまで発酵してしまうと、いわゆる過発酵の状態となってしまいます。できればこうなってしまう前に、生地の状態を見極め、焼き始める必要があります。
なので、二次発酵の際は、冷蔵庫でゆっくりと発酵させ、ベストなタイミングをできる限り長く維持すると失敗が少なくなります。

さいごに

このようにして焼けば、食パンの完成です。ただ、すぐに切ってしまうと、水分が蒸発してしまい、硬いパンとなってしまいます。焼き上がりの香りを楽しみながら、型から外さず、蓋だけとってケーキクーラーなどの上に乗せ、冷めるまで待つ必要があります。
冷めたら型から外し、そこで初めて、よく切れる包丁で食パンをカットするようにしてください。

焼きあがって蓋を取り、冷めた状態。ここでようやく型から外していく

食パン一つ作るだけで、かなり時間がかかりますが、そうやって完成した食パンの味は格別です。しっかりと時間をかけて発酵をさせ、是非美味しい食パンを作ってほしいと思います。

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