簿記試験の最高峰
1年間・1,000時間
簿記試験は、次の記事でもまとめているように、一般に簿記の最高峰などと言われる試験です。
合格すると、転職などでも有利に働くだけでなく、税理士試験の受験資格を得ることができます。
一般的には、1年間、およそ1,000時間程度の勉強量が必要と言われており、社会人が受ける試験の中ではかなり難易度が高いとされています。
ほぼ半分
さて、そんな簿記試験ですが、2022年1月から勉強を始め、11月に試験を受けました。
結果、次の通り、2023年1月の合格発表で、無事合格をすることができました。
70点の合格ラインに対して71点というぎりぎりの点数でしたが、勉強時間はおおむね半分の500時間程度で合格することができました。
1年というゆっくりした時間の中で、忘却もしていくことを考慮すると、かなり短い勉強時間だと思います。
独学で十分!
ちなみに、試験にあたっては、スクールなどには通わず、独学のみで合格しています。
また、テキストも一般に市販されている基本書と、問題集3冊ほどで、試験のために購入した教材の金額は、おそらく2万円程度です。
後ほど解説しますが、簿記1級試験は、独学でも十分に合格を勝ち取ることができる試験です。
合格体験記
ざっくりとしたスケジュール
実際、どのようなスケジュールで合格までこぎつけることができたかというと、次の記事でもまとめている通り、3か月のインプット+8か月の精緻化・高度化というスケジュールです。
- 1月ステップ0
- 1月中教科書2冊目まで完了
- 2月中教科書4冊目まで完了
- 3月中教科書すべて完了
- 4月ステップ1
試験範囲に関して、単語などが頭に入っていて過去問を読める状態
→ここから問題演習などのアウトプットを増やして定着を促す - 6月ステップ2
試験問題を読んで、問われている内容が理解できる
→6月の問題を解いてみて、改めて自分のレベルを確認 - 直前ステップ3
試験問題を読んで、解法がわかり答えを導き出せる
- 11月試験本番
時間をベースにせず、このようにして引いたマイルストーンをベースにして、進捗を管理することで、より短い時間で効率的に結果を出すことができます。
この時、試験ではアウトプットが問われることを考慮し、アウトプットのレベルを基準にマイルストーンを引くことが肝心です。
過去問を解きまくる
具体的には、インプットのあとは、過去問を解きまくるというアウトプットを行います。
過去問を解き、解法を覚え、仕訳を再現できるようにすることで、点数を上げていきます。
この時、その時々の点数に一喜一憂せず、解説を読んで、何を理解し、何を理解できていないかを中心に確認をしていきます。
これができないと、アウトプットの精度を上げることはできません。逆に言えば、どうすれば点数が上がるかということを中心にアウトプットを見ながらインプット内容を考えることで、確実に点数を上げるようにします。
もちろん、過去問には自分のレベルを図るという側面もありますが、基本的には、どうすれば試験本番で良いアウトプットを出せるようになるかを考える基準として使います。
なので、早い段階から過去問を解き始めることが肝要です。
モチベーションはSNSやブログで
「1に過去問、2に過去問、3・4がなくて、5に過去問」といった勉強方法の解説は、色々なところで目にします。
多くの合格者が、過去問を中心とした勉強方法を推奨している一方で、なかなか実現するのは難しいです。
その理由の一つが、モチベーションです。
上記の勉強法は、「自分の力不足を確認する」という勉強法なので、基本的に初めのうちのモチベーションは地を這うようなものです。
できない自分と向き合うのは、非常に大変な作業で、独学の一番大変なポイントはそこにあります。
そういう時に役に立つのが、SNSやブログです。
勉強内容を発信したり、頑張っている人のつぶやきを見たりして、「ひとりじゃない」「みんな最初のうちはできない」と知ることで、連帯感を感じ、モチベーションを上げることができます。
なので、これから資格試験を受けるという方は、是非SNSやブログを立ち上げ、「頑張ります!」という宣言をしてほしいと思います。
最強の教科書
こちらの記事に書いてある通り、最初の一周目のインプットは、市販の教科書を購入して行いました。
ただ、アウトプットが軌道に乗ってくると気づいたのですが、最強の教科書は会計基準です。
簿記1級試験の試験官は、基本的に会計基準をベースにして試験問題を作成しています。
というか、答案の内容が会計基準に沿っているかどうかという観点で採点を行います。
なぜその仕訳になるのか?なぜ解説にそんなことが書いてあるのか?そういう疑問に対する答えは、ほぼ会計基準に書いてあります。
なので、これもモチベーションが上がりにくい勉強法ですが、やはり会計基準は何周かは読んでおくことを強くお勧めします。
特に会計学の試験では、会計基準の「結論の背景」の部分を素読すると、劇的に点数が上がるので、かなりお勧めの勉強法です。
さいごに
合格の仕方を知ること
以上のように、アウトプットをベースにした、モチベーションが上がりにくい勉強法を無理て取り入れ、SNSなどを用いてモチベーションを上げながら続けていくことで、半分くらいの勉強時間で簿記1級試験に合格することができました。
ただ、やっぱり、合格するうえで一番大事なことは、「合格する方法を知る」ということです。
合格した人に合格する方法を聞き、それを踏まえて勉強をするというのが、一番効率がいいです。
そういう意味では、僕の勉強法は、合格するための一つの例にすぎません。
一方で、実際に合格を勝ち取ることができた、実績のある勉強法です。
闇雲に勉強するのではなく、合格に近づくための効率的な勉強法として、参考にしていただけると、とてもうれしいです。
絶対に合格できる!
最後の最後、多くの人が気持ちが折れそうになります。
特に2022年11月に実施された162回の簿記1級試験では、商業簿記の問題が過去一難しいといわれており、多くの受験生がその時点で心折られたといわれています。
それでも合格できた人たちに共通することは、「最後まであきらめなかった」ということです。
スポーツでも勉強でも「あきらめたら、そこで試合終了だよ」という言葉を胸に、絶対に合格できるという気持ちで臨むことが、何より重要です。
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