過去問をベースに考える
全体像を把握しながら学習するべき
何より、学習計画を立てる上で、重要なのは過去問です。
過去問によって、試験の全体像をつかみ、それをベースにして学習計画を立てていくことが重要です。
学習計画については、色々と立て方があり、例えば次のようなものが一般的に考えられます。
- 出題範囲をいくつかの単元に分けて、単元ごとに学習していくという方
- 基礎から応用に向けて、学習難易度を挙げていく方式
- 学校教育のように、これらを複合的に取り入れ、学年が上がるごとに学習難易度をあげながら、一年のうちに単元ごとに学習していくというやり方
ただ、「試験に合格する」という部分だけを切り取って考えれば、これらの学習方法は非常に非効率です。
確かに基礎力がついていなければ応用問題は解けませんが、基礎が完璧に身についた段階を経ないと応用問題を見ることすらないというのでは、学習スピードがあまり出ず、また、基礎をやっている間はモチベーションが上がってきません。
また、単元ごとに学習していくと、初めの方にやったことを忘れてしまう可能性もあります。
さらに加えて、簿記の最終的な目標は、企業の経営状態を把握し、損益計算書や貸借対照表を作ることにあります。
一つ一つの知識や技術は、その目標に向けて有機的に結びついているため、全体像を把握しながら学習する方が、効率性が高いと考えられます。
過去問を読める・理解できる・解ける
そこで役に立つのが、過去問です。
最終的な目標は、試験本番の日に過去問が解ける状態になることです。
つまり、試験本番の日に迎えるということから逆算して、過去問をベースに学習計画を立てていくことで、効率的な学習計画が立てられるというわけです。
加えて、きちんと計画を立てておくことで、常に試験本番をイメージしながら進めることができるようになり、全体像を把握しながら学習を進めることができます。
とはいえ、過去問を全く学習しない状態で読んでも、単語の意味などが分からず、何を学習するべきかいまいちわからないという事態に陥ってしまいます。
そこで、まずは過去問を読める状態にする必要があります。
幸い、日商簿記1級の過去問は、試験当日に公表されるので、いつでも最新の過去問を見ることができます。
過去問が読めるようになった上で、次に何を問われているかが理解できるようになれば、後はその解き方を一つ一つ潰していけば、合格につながると考えられます。
このような、過去問を、読むことができる・理解することができる・解けるという3ステップをベースに、学習計画を立てていくと、軸がぶれず、効率的に学習を進めることができます。
学習計画の指標となる3ステップ
- 過去問を読める:使われている単語などが理解できる
- 過去問を理解することができる:何を問われているかが理解できる
- 過去問を解ける:解法がわかり、答えを導き出すことができる
具体的な学習計画を立てていく
3ステップのタイミングと直前試験のタイミング
以上を踏まえて、まず第一に考えるべきは、これらの3ステップをどのタイミングで持ってくるか、ということです。これによって、学習計画の大枠が決まっていきます。
そこに関しては、目標としている11月の試験の直前に、6月に試験があることを考慮し、少なくともそこまでにはステップ2まで進んでおく必要があるという仮定をベースに考えてみたいと思います。
仮に年明けから始めた場合、教科書の分厚さなど試験範囲の広さを考慮すれば、6月の時点でステップ2、得意な分野においてはステップ3まで差し掛かった状態にすることは十分できると思います。
あとは苦手な部分や難しい問題の解法を身に着け、答えを導き出せるようにするだけなので、合格も見えてくる、というわけです。
- ?月ステップ1
試験範囲に関して、単語などが頭に入っていて過去問を読める状態
- 6月ステップ2
試験問題を読んで、問われている内容が理解できる
- 直前ステップ3
試験問題を読んで、解法がわかり答えを導き出せる
- 11月試験本番
教科書が6冊だということとモチベーション
あとはそこからさらに細分化して、ステップ1をどこに持ってくるかということですが、前回選択した教科書が6冊あることから、わかりやすく1か月で2冊として、4月の頭の時点にこれを持ってくるのが良いと思います。
この辺りは特に根拠はなく、自分のモチベーションなどと相談しながら決定するとよいと思います。
ちなみに、「1か月に2冊」といったきりの良い計画を立てると、非常にわかりやすいですし、自分がいま当初の予定より遅れているのか進んでいるのかもわかりやすく、モチベーションを保ちやすいと思います。
さいごに
最後に作った学習計画をまとめると、次のようになります。
- 1月ステップ0
- 1月中教科書2冊目まで完了
- 2月中教科書4冊目まで完了
- 3月中教科書すべて完了
- 4月ステップ1
試験範囲に関して、単語などが頭に入っていて過去問を読める状態
→ここから問題演習などのアウトプットを増やして定着を促す - 6月ステップ2
試験問題を読んで、問われている内容が理解できる
→6月の問題を解いてみて、改めて自分のレベルを確認 - 直前ステップ3
試験問題を読んで、解法がわかり答えを導き出せる
- 11月試験本番
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