【簿記1級合格への道】やる気がなくなったときにどうすればよいか

簿記試験

こんにちは。ヒトツメです。

勉強開始から2か月近くが経過し、勉強をし始めるときの、「よしやるぞ!」という気持ちがそろそろ薄れてきました。とはいっても、このブログを続けなければいけませんし、何より、やる気をなくしてしまっていては、合格への距離は縮まることはありません。
そこで今日は、工業簿記・原価計算のポイントに入っていく前に、簿記1級合格に向けて、どうやってやる気を出していくか、ということについて少し考えてみたいと思います。

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そもそもやる気とは何か

やる気とは「幻想」である

人は、勉強でもなんでも、今一つそれをする気力がわかないとき、「やる気が出ない」という言葉を使います。どうやれば「やる気」が出るのか、「やる気」とは何なのか、といったことが時に話題に出ることがありますが、僕は、「やる気は幻想である」という説を強く支持しています。
「やる気が出ない」状態の理由を、脳の疲れなどに帰着させず、単にやっていない状態についての言い訳であるとする考え方です。

人間というのは、非常に怠惰にできています。たとえ頭では「今勉強すれば将来楽になる」ということがわかっていても、楽な方に逃げるという性質を持っています。これは、生存のために必要な性質です。習慣化して慣れてきたり、習熟度が上がったりすると、より小さい労力で大きな成果を上げることができるようになりますが、より大きな労力をかけて小さな成果しか上げられないとすると、その労力は大半無駄になります。
現代社会ではありえないですが、狩猟採集を行っていたような社会では、小さな成果のために進んで大きな労力を掛ける人間は、生存には不向きです。

現代社会では、生存の危機にさらされるというのはまれで、むしろ大きな労力を掛けて勉強し、努力するような人がより大きな成果をあげることができるというケースが多いです。それは上記のような生存のための戦略からすると真逆です。
やる気とは、そのような乖離を説明するための「幻想」に過ぎないというのがこの考え方です。

やる気とは「静止摩擦係数と動摩擦係数の差である」

一方で、「やる気がなかったけど、勉強し始めるとやる気が出てきた」なんてことがあると思います。上記の説明だけでは、このような事象については説明ができません。

これについては、静止摩擦係数と動摩擦係数の差という説明を用いたいと思います。物を引っ張ったり押したりして動かすとき、大抵は、滑りはじめの方が、すでに滑っているものを動かす時より大きな力が要ります。物理でいうところの、「静止摩擦係数の方が動摩擦係数よりも大きい」というものです。勉強の場合も同じように、やり始めるときに大きな労力がかかるが、やり進めると続けるのに労力はかからないと考えています。
「勉強をしていない状態」から「勉強をしている状態」に変更するのは労力が要りますが、「勉強をしている状態」だと、むしろ「勉強をしていない状態」に変更する方が労力が要ります。
やる気が出ないとは、状態を変化させるのに必要な労力が、想像よりも大きいという状態を指し、勉強をし始めると、それを続けるのに大した労力はいらないというケースが多いです。

物体を押すとき、動き始めるまでに必要な力より、動き始めてから動かし続けるのに必要な力の方が小さい

このような状態を説明するために、「やる気が出ない」「やってみるとやる気が出てきた」という言い訳を、後付け的にしているというのが、僕の考えです。

モチベーション2.0と3.0

報酬や罰は不向き

さて、このように説明する「やる気」ですが、単なる言い訳であるとしても、勉強していない状態から勉強している状態に変更するのに労力はかかってしまいます。この時の労力を超え、勉強を続けるためには、「モチベーション」を維持する必要があります。
この時、モチベーションのために、報酬や罰を与えるのは、かえって非効率である、ということがいわれています。このように、報酬や罰をモチベーションの理由にする状態を、モチベーション2.0といいます。詳しくは下記の、「モチベーション3.0」という本に記載されていますが、モチベーションのために報酬や罰を与えると、人間は勉強に対してネガティブな感情を抱くようになったり、あるいはより大きな報酬を求めてしまったりするといわれています。
「勉強を何時間しないと夕食抜き」としたりすると、勉強そのものに対してネガティブな印象を持つようになり、学んだことが身に付きにくくなりますし、「勉強を何時間したらケーキを食べていい」としたりすると、その報酬が徐々に当たり前になり、より大きな報酬を求めるようになったりします。

同じような理由で、勉強の進捗の指標として、「勉強時間」を用いるのもあまり得策ではありません。「何時間しないとダメだ」とか、「何時間したから大丈夫だ」といった考えに基づいて勉強を進めると、手段が目的となってしまいます。
結局学ぶことを身に着けて試験の点数をあげることが目的で、勉強はそのための手段に過ぎないのに、手段を目的に置き換えてしまうと、本来の目的達成からは遠ざかってしまいます。

理想は部活

このような状態から脱し、モチベーションを上げるためには、モチベーションをアップデートし、モチベーション3.0にしなければならないといわれています。モチベーション3.0とは、自律性・熟達・目的の三つの要素によるものだといわれていますが、僕の理解では、要は部活の状態が理想だと考えています。

部活でスポーツなどの練習をするとき、良いチームでは、練習をする理由は、練習をしないと怒られるからといった罰によるものではありません。練習をし、皆で打ち込むことそのものに、歓びを感じるというケースが多いです。あるいは、練習によって強くなることに歓びを感じます。
往々にして、部活の時の楽しい思い出は、例えば大会などで勝ったことではなく、勝つという共通の目的のために皆で努力したことだったりしますが、目的が明確な状態でそのために努力をすると、人はそこに歓びを感じ、頑張れるようになるといわれています。

このように、自ら学び、学びによって知識が増えることに歓びを感じ、その先にある目的を意識することで、人間のモチベーションは上がっていき、やる気が出てくるのだと思います。

具体的にどうするべきか

「必要」から考える

さて、以上のような考え方を、簿記1級試験に置き換えた場合、具体的にどのような方法によってやる気を出していくべきでしょうか。
まず一つは、学んでいる簿記の技術に関して、それが必要な場面から考えるというやり方です。こんな取引をしたらどうなるだろうか、というイメージから逆算して仕訳の仕方を学んでいくと、身につきやすいですし、知識がつくことによって歓びが生まれるので、必然的にやる気が出てきます。

そういう意味では、テキストを読むより問題を解く方が楽しみを感じやすいですし、問題も、身近に想像しやすいケースに近い方が、よりモチベーションを上げやすいと考えられます。

身近な物事に近づける

上記で少し触れましたが、身近な物事に近づけたほうが、モチベーションは上がりやすいです。あまり身近には使わないような知識をつけたところで、熟達は感じにくいです。自分の知識がついていることを実感するためにも、身近なケースに置き換えながら勉強を進める方がよいと考えられます。

簿記1級合格後の自分を考えるというのも、有用です。単に「なんとなく合格したらいいなぁ」と思うのではなく、合格した後の自分を具体的に想像し、身近にしていくことで、目的がはっきりし、やる気が出てきたりします。

さいごに

このように、やる気を出すための方法について考えてきましたが、仕事帰り、脳が疲れている状態ではやはり学習は進みにくいです。寝不足だと知識をつけるのも難しいですし、問題を解くためにも、しっかり睡眠をとることは大事です。

決して無理をせず、自分に合った勉強法で進めていくというのが、やはり最も重要です。その中で、より高いモチベーションを維持しながら進めていくために、上記のような方法をうまく使っていければと思います。

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