こんにちは。ヒトツメです。
今日は、コーヒーに合うお菓子でも僕が特に好きな、パウンドケーキの作り方についてまとめていきたいと思います。
いわゆるケーキのスポンジなどと違って、ハンドミキサーがなくても作れますし、分量も覚えやすいので、是非試していただきたいと思います。
パウンドケーキではない??
そもそも、パウンドケーキとは、全ての材料を1ポンドずつ使うことからその名前が付けられたといわれているお菓子です。つまり、本来であれば、小麦粉・バター・砂糖・卵を、それぞれ1ポンド(約450g)ずつ使う必要があります。
そうすると、完成品の重量は1.5kg以上になりますが、なかなか家庭では消費しきれませんし、型も大きなものが必要で、火入れも難しくなるので、実際に本来の意味でのパウンドケーキを作るのは大変です。
そこで今回は、それぞれの材料を50gずつ使うレシピで作ります。この場合、5cm×12cmくらいの型を使えばきれいに作れますし、家庭でも消費しやすく、火入れも難しくありません。
フランスではパウンドケーキをカトルカール、つまり「4分の1を4つ」といいますが、今回作ろうとしているのは、パウンドケーキではなく、カトルカールということになるかもしれません。
シュガーバッター法
ではさっそく、パウンドケーキの作り方についてですが、まず、室温に戻して柔らかくなったバターと、砂糖を、泡だて器で白っぽくなるまで混ぜていきます。
はじめは上の写真のように、なんとなくホロホロとした感じですが、徐々に混ざってくると、下の写真のように、白っぽく、マヨネーズのような見た目になっていきます。
この時、とにかく白っぽくなるまでしっかりと混ぜることが大事です。
スポンジケーキの場合、共立て(全卵を泡立てて作るタイプ)でも別立て(メレンゲに卵黄を混ぜて作るタイプ)でも、卵に空気を入れ込み、生地内部に入り込んだ空気が膨張することで生地が膨らみます。
パウンドケーキのように、砂糖とバターを先に混ぜて生地を作る場合、卵は泡立てず、この砂糖とバターを混ぜたときに入り込む空気を使って、生地を膨らまします。これをシュガーバッター法といいますが、この時に空気がしっかりと全体にいきわたらないと、生地が膨らまず、パウンドケーキ独特の「しっとりとしながらも軽さがある」独特の食感が生まれません。
卵を混ぜて乳化させる
砂糖とバターがしっかりと混ざったら、次に解きほぐした卵をおおむね4分の1程ずつ、少しずつ混ぜながら足していきます。
この時、分離させないよう、とにかく少しずつ混ぜながら足していくことが重要です。
全部混ざると下の写真のように、均一な状態になります。
パウンドケーキの食感は、シュガーバッター法によって生地全体にいきわたった空気が生み出しますが、バター生地特有の濃厚な味わいは、卵とバターがしっかりと混ざり、乳化していることから生まれるものです。
よくドレッシングで例えられますが、人間の味覚においては、水と油はそれぞれに旨味を感じ難いようにできており、それらが混ざり、乳化している状態だとより感じやすいといわれています。ドレッシングも、しっかりと混ざり、白っぽく濁った状態の方が美味しく感じますが、それと同じ原理です。
グルテンを出し過ぎない
最後に、作った生地に振るった小麦粉を混ぜ、型に流しいれ、180℃のオーブンで45分から50分焼くだけです。
この時、生地を全体に混ぜ、粉っぽさがなくなり、少しツヤが出てくるくらいで型に入れてすぐ焼くのが重要です。ここで混ぜすぎると、小麦粉と卵の水分が混ざり、いわゆるグルテンができてきてしまいます。これにより、生地のふくらみが悪くなるとともに、もっちりした食感が出てきて、歯切れが悪くなってしまいます。
ちなみに今回は、生地に紅茶を混ぜているので、ところどころ黒い点が見えます。
さいごに
焼いたときの焼き上がりを美しくするため、焼き始めて15分から20分くらいたったタイミングで、バターナイフで生地の上を切ってあげると、割れ目がきれいに出ます。
切ると、下の写真のような感じです。
淹れたてのさっぱりしたコーヒーとの味のコントラストが、個人的には非常に好きなので、是非試していただきたいです。
コメント