予測は経営企画に不可欠
経営企画、あるいはFP&Aの業務において、将来予測というのは欠かすことができない業務です。
例えば、自社の将来の売上や原価率がわかれば、販管費としてどの程度の費用を割り振れば良いのかがわかりますし、将来のキャッシュフローがわかれば、投資の可否も判断できます。
経営とは、今の状態から採りうる最良の選択肢を選ぶことによって、企業をよりよい方向に導くことです。
したがって、「今何らかの選択肢を採らなければ将来企業がどうなるか」という予測はもちろんのこと、どの選択肢を採用すればどうなっていくかを予測することも、必要になってきます。
予測≠経験によるもの
ベテランだけのなせる業ではない!
このように、経営には予測が不可欠です。
ただ、予測というと、ベテランだけに許された、経験によってなせるものというイメージが強いと思います。
しかしながら、予測には必ず「理由」があります。
理由のない将来の展望は単なる願望や予想に過ぎません。その理由付けを適切に行うことができれば、予測は誰にでも可能です。
トップダウン型の理由付け
最もわかりやすい例が、すでに存在する大きな数字から、トップダウン型で予測を行うというものです。
例えば日本のGDPに特定の商品の消費割合をかければ、特定商品の市場規模がわかります。
特定商品の市場規模に自社の占有率をかければ、自社の売上高が予測できます。
もちろん、特定商品の消費割合や、自社の占有率については、ある程度「予想」の域をでないこともありますが、現状からの変化要因を考慮すれば、ある程度の予測は可能です。
このように、すでに存在する将来予想から考えるのが、トップダウン型の予測です。
ボトムアップ型の理由付け
これに対して。ボトムアップ型のアプローチは、全く逆の方法を採ります。
主にストック売上によって売上が作られている場合に有効なのですが、今後1年間で、どの程度顧客が解約し、どの程度顧客が増えるかを予測するというものです。
例としては、Netflixのような課金制のサービスがわかりやすいです。現行の顧客数と1年間の増減予測から、ほぼ正確に将来の売上を予測できます。
もちろん、営業の奏功・不芳など、各種要因によって変動はしますが、過去のデータから、ある程度の予測が可能です。
結局はどの程度「もっともらしい」か
このように、大きく分けて二つのアプローチがあるものの、どちらかが正解というわけではく、この二つをうまく組み合わせて「もっともらしい」状態を作るというのが予測の最も重要な部分です。
予測は、それ自体が当たったから、外れたから、といって大きく問題となるものではありません。
乖離があればその理由を考慮し、次の経営判断に活かすのが目的です。
このとき、予測がいかに「もっともらしいといえるか」ということが、次の経営判断の非常に重要な材料になります。
きちんと理論にしたがった予測を行うことで、適切な経営判断ができるようになる、ということです。
コメント