FP&Aの役割とは?
役割自体は経営企画と変わらない
FP&Aとは、Financial Planning & Analysisの略で、財務計画や分析を行う専門職といわれています。
よく似た職種で、「経営企画」と呼ばれるものがありますが、その本質は、大きく変わるところはありません。
こちらの記事でもまとめている通り、FP&Aも経営企画も、経営と現場の架け橋をすることであり、財務の知識に加え、ビジネスをドライブさせるための人材であることに変わりはありません。
異なるのは環境
ただ、FP&Aを導入する際、通常の経営のやり方とは少し異なる手法がとられるのが一般的です。
通常、各部署の目標や計画は、経営目標や経営計画をドリルダウンした形で設定されるKPIによって設定されます。
経営陣や経営企画は、各部署のKPIを設定し、それを示達し、達成度合いを測ります。
これに対して、FP&Aが設置されるケースでは、FP&Aが設置された現場と、経営陣との対話を中心とした有機的な結びつきにより、合意の下KPIが設定され、各部署が運営されます。
咥えて、期中管理においても、FP&Aが細かく財務観点での分析を行い、ビジネスを適切な方向に導きます。
FP&Aの失敗例とは?
このように、FP&Aを設置する目的は、従来型の「トップダウン方式のKPI設定と達成度管理」から、「ボトムアップ方式の流動的なKPI管理」に切り替えるためです。
これを実現することで、中長期に経営に影響を及ぼす定性的な評価をすることができ、各部署の人材をより効率的に活かすことができるようになります。
FP&Aを設置してもうまくいかない例は、この本質をとらえず、単に「財務人材を各部署に設定している」だけという場合が多いです。
その結果、FP&Aは次のような業務をしているだけで、日々「つまらない」と感じ、結果優秀な人材の離職を招いてしまいます。
- 日々の計数をレポーティングしているだけで、経理とやっていることが変わらない
- 経営陣がFP&Aを重視できず、各部署のサポート業務に終始してしまう
- ビジネス戦略に関与する重要業務に関与できず、些末な業務にしか関われない
FP&Aを機能させる秘訣は?
FP&Aのビジネス理解を高める
このような失敗例を踏まえて、FP&Aを効果的に機能させる最大の秘訣は、ビジネス理解を高め、FP&Aの役職としての重要度をあげることです。
あくまでFP&Aを現場に設置する理由は、ボトムアップ方式でのKPI設定を行い、現場の人材が経営陣と同じ感覚で業務を執り行うことにあります。
FP&Aが現場に対する理解を深め、納得感のあるKPIを設定するための対話ができる状態を作り上げていくことが何より肝要です。
コーポレート機能を縮小する
また、ボトムアップ方式を効率的に行うために、コーポレート機能は最小限にする必要があります。
せっかくFP&Aを設置しても、強力な経営企画の人材がそれをつぶしてしまうようなことがあれば、結局うまくはいきません。
優秀な人材こそ、積極的に現場に送り込み、現場の発言力を高めることが重要です。
財務「だけの」専門家ではないという意識を持たせる
最後に、FP&A人材に対して、財務の専門家だからと、財務「だけ」の知識で業務を進めないように意識付けすることが重要です。
確かに財務・会計の専門的な知識は必要ですが、それをひけらかすことが目的ではなく、それを活用することが目的です。
うまく知識を活用するためには、視野を広げ、ビジネス自体への興味・関心を持たせることが重要です。
人材採用の際にも、そういった人材を積極的に選ぶ必要があるということを意識することが大事です。
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