単なる名称の問題??
FP&Aとは?
ここ最近、経営企画と対比される言葉に、FP&A(Financial Planning & Analysis)という言葉が使われることがよくあります。
財務計画や分析を行う専門職で、主に海外の企業に設置される職種です。
一般的には、CFO(最高財務責任者)の直下に置かれることが多く、各事業部門が検討している戦略などについて財務的な観点でのアドバイザリングなどを行うことを目的としています。
要は、財務の観点で、経営と現場との橋渡しをすることが目的とされるセクション・職種です。
経営企画と何が違う?
このように聞くと、経営が示した戦略を、現場部門に戦術として落とし込み、より現実的な施策を考える経営企画と何が違うのか?と思うでしょう。
結論から言うと、あまり変わりはありません。
ただ、海外企業の方が、経営と財務は完全に切り離されて考えられており、CEOとは完全に独立してCFOが設置されるのが一般的です。
なので、経営の傘下に置かれる経営企画より、CFO傘下のFP&Aの方が、より独立性が高く、財務の専門家という印象が強くなります。
FP&A導入のメリットは?
財務に特化
上記の通り、経営企画とFP&Aには、本質的にそこまで大きな違いはありません。
一方で、FP&Aを導入すると、より財務に特化した形で、経営戦略を定期的に見直すことができます。
従前は、社内政治の影響など、定性的な観点で戦略の良し悪しを判断する企業も多かったと思いますが、FP&Aを導入することで、戦略の良し悪しをより定量的に判断することができ、思い切った判断ができるようになる可能性が高まります。
内外にアピール
また、FP&Aを設置するとなると、おのずとCFOの権限が上がり、経営と財務が切り離されることになります。
単にFP&Aという名称を入れ込むだけでは意味がありませんが、きちんと組織全体を見直し、適切に権限を分配するのであれば、そのことをアピールする手段として、FP&Aを設置するというのは有用です。
大企業がFP&Aを導入すると、ニュースとして取り上げられることもありますし、より健全な財務を目指しているというイメージをアピールすることができます。
FP&A人材になるということ
FP&A人材のメリット
上記から、経営企画の人材となるよりは、FP&A人材となる方が、より専門性が上がり、大企業を中心に活躍の場が広がると考えられます。
FP&Aに関しては、専門の検定もありますので、こういった資格を取得することで、「何でも屋」のようなイメージの経営企画人材から脱却し、より専門的に働くことができます。
FP&A人材のデメリット
一方で、FP&A人材になるということは、経営企画のような、「何でも屋」の生き方はできなくなります。
まだまだ中小規模の企業を中心に、財務に特化した経営管理を導入するのは体力的に難しく、そういった意味では、経営企画人材の方が活躍の場が多いのが現状です。
また、公認会計士や税理士だと、独占業務に従事することができ、より幅広く仕事をすることができるため、あえてFP&A人材として生きるというのは、活躍の場を狭めることになりかねません。
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