【ビジネスハック!】「学ぶ」とはどういうことか

仕事術
  • 大人になっても「学び」というものは必須です。
  • ただ、何のために、どういうことを学ぶべきなのか、ということについては、非常に難しい問題です。
  • 「学ぶ」ということの本質を、一冊の本を通して考えます
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植物学は役に立つか?

単子葉植物と双子葉植物

突然ですが、理科で学ぶ「単子葉植物」と「双子葉植物」の違いを覚えているでしょうか?

単子葉植物はイネのように、子葉が1枚の植物で、双子葉植物は、いわゆる「ふたば」が出る植物を言います。ただ、それぞれがどのような構造や特徴をもっているかということまで覚えている方は多くはないと思います。

小中学校のときに学んだ知識は、基本的に「覚えること」を目的とした教育によるものが多く、単語の音などはなんとなく覚えていても、それが何を指しているのか、どういうものなのかということまでは覚えていないということが多いと思います。

単子葉植物は進化した植物

ただ、単子葉植物は進化した植物だということをもし学んでいれば、全部とはいかなくとも、半分くらいは覚えていられてかもしれません。

恐竜の時代が終わるころ、地球は大きな気候変動の時期を迎えました。そのころになると、動物も植物も、身体が大きく生育に時間がかかる生き物は生きていけなくなり、身体が小さく、進化のスピードが速い生物が生き残るようになりました。
これにより、映画「ジュラシックパーク」に出てくるような葉の巨大な植物は廃れ、一年で枯れて生えてを繰り返す植物が主流となりました。

単子葉植物は、可能な限り身体の構造を簡略化し、直線的に早く成長することだけに特化して進化してきました。なので、双子葉植物より、単子葉植物の方が進化した植物だといわれています。
なので、双子葉植物のように形成層は作らず、葉の葉脈は直線的で、複雑な構造を持っていません。

最終進化系はイネ

そして、その構造をさらに進化させたのが、イネです。
動物に葉の先を食べられることを考慮し、生長点を根元に設け、「分げつ」という特殊な方法で株を大きくします。

光合成で蓄えた栄養は、そのまま実として蓄えました。
さらに、実が落ちにくい種だけが人間に見いだされ、その特徴を持つ株だけが交配され、今のように、たくさんの実りをもたらすイネへと進化してきたといわれています。

歴史の苦悩まで見えてくる

トウガラシがなぜペッパーなのか

また、植物の歴史を見ると、歴史上の苦悩も見えてきます。
その一つが、トウガラシがペッパーと呼ばれているところから見出すことができます。

トウガラシは、アメリカ大陸で発見され、コロンブスによってヨーロッパに持ち込まれたといわれています。コロンブスは、もともと西回りでのインドへの航路を求めてアメリカ大陸を発見しており、その最大の目的は、香辛料であるコショウを得ることでした。
そんなコロンブスは、スペインの指令を受けて西回りでのインド航路開拓をしており、発見した大陸を「インドだ!」と言い張る必要がありました。
そこで、コショウと同じように肉の保存に役立つトウガラシに、「ペッパー」の名称を付けたといわれています。

学ぶということは覚えることではない

このように、「学ぶ」ということは、過去の歴史の蓄積によって、今の生活に役立てたり、かつての偉人の成功や苦悩を知り、次の時代に繋げていくことです。

イネが進化を遂げた植物であることを知り、なぜイネが東南アジアを中心にのみ栽培されているかを知ることで、様々な歴史を知ることができますし、コロンブスの苦悩を知ることで、現代の国々の関係性や政治を読み取るベースを作ることができます。

学ぶということは、覚えるということではありません。
何故知識を知識としてつけなければならないかを考え、その背景にある様々な事情を知り、現代に役立てる状態にまですることを言います。

最後に

「世界史を大きく動かした植物」という書籍では、植物の歴史を通して、世界の、あるいは日本の、様々な歴史や苦悩を知ることができます。
この本では、植物史をベースとしていますが、ほかの観点でも歴史を学ぶことで、多くのことが見えてきます。

単に知識をつけるだけにとどまらず、好奇心を持って「学ぶ」ことは楽しいことです。
本書は、そんなきっかけをも作ってくれる一冊だと思います。

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