経営企画の仕事内容はズバリこれ!
経営者とそれ以外の間に入る
経営企画というと、何をしているかよくわからない、という印象を持っていると思います。
ズバリ、経営企画とは、経営者とそれ以外の間に入ることが求められる場合に要求されるセクションです。
一般に、経営とは中長期的な目線で行われるもので、会社が利益を上げて、累積黒字にして株主に還元ができるようになるには、数年あるいはそれ以上の年数が必要になります。
また、すでに黒字になっていても、業績が悪くならないよう、常に先々を見据えて、経営者は会社のかじ取りをしていく必要があります。
一方で、営業部や事業部では、目の前に掲げられた目標を短期に達成することに躍起になっており、頑張れば頑張るほど、経営者と目線が離れていきます。
会社を立ち上げて間もないころは、一つの目標に向かって進んでいても、徐々に会社が大きくなり、利害関係人が増えていくと、経営と現場の乖離は大きくなります。
そこで、経営者が経営に専念し、現場との細かな調整をする必要がないように、経営企画部が設置されるというのが、一般的な設置の経緯になっています。
戦略を戦術にする
一般に、経営者が考える中長期的な方向性には、経営「戦略」という用語が使われます。
どのように市場をセグメントし、どのターゲットに対して訴求するかを考え、自分たちのポジションとの差分をどのように埋めていくか、という、基本的かつ抽象的な方針を決めるのは、経営の仕事です。
例えばポジショニングの差分を埋めるために、大規模な設備投資をして長期にわたっての回収を目指すか、中規模な設備投資を繰り返して都度回収しながら堅実に進んでいくか。どちらの方針で行くかは、経営陣が決めるべきことです。
ただ、経営がそれを決めた場合に、実際に誰がどのような行動をとってその戦略を実現するかという具体的な部分までは、経営陣は通常考えません。
こういったものには、「戦術」という言葉が使われますが、経営陣が考えた戦略を、現場が納得する形で戦術という形で落とし込み、可能な限り経営と現場の乖離を埋めるのが、経営企画が求められる最大のポイントだと言えます。
IR対応や会議体運営
また、経営企画には、現場と経営との間の架け橋というだけではなく、経営と株主や経営とその他利害関係人との間の架け橋の役割も求められます。
いま会社がどうなっているかを株主に報告し、引き続き投資してもらうため、IRの情報を開示したり、社外取締役に経営状況を報告するために取締役会を行いますが、これらの運営についても、「経営とそれ以外の間に入る」という意味で、経営企画に求められる役割となっている場合が多いです。
経営企画の仕事の難易度は?
広すぎる業務領域
このような説明を聞くと、経営企画という仕事は非常に難易度が高いように思います。
基本的に株主は数字で物事を考えるので、数字にも強くなければいけませんし、現場が納得する戦術を考案するためには、現場に対する理解も無ければなりません。
経営企画の業務領域は非常に広く、企業にかかわる領域に関して、時には経営者よりも詳しくなければならないケースがあります。
例えば会社が大きくなると、官公庁とのやり取りも必要になってきますが、そのような対応も経営企画に求められます。官公庁と渡り合いつつ、経営陣との間に入って的確にやり取りをしようとすると、官公庁の中でのパワーバランスや政治にも詳しくなければならないこともあります。
全てが完璧である必要はない!
しかしながら、これらをすべて完璧にこなせる人物はいません。
経営者が変われば会社が変わるように、経営企画のメンバーが変われば会社が変わるということはよくある話です。
それほど、経営企画は経営との距離が近く、会社のかじ取りに大きく影響を及ぼすこととなります。
経営企画が財務に強ければ、財務的な感覚での経営が進みますし、現場感覚に優れていれば、柔軟な対応をしながら現場を動かすことができます。
逆に経営も、自分たちの会社に足りない部分を補うために、経営企画の戦力を補充するのが一般的なので、経営企画に「完璧」を求めることはあまりありません。
まずは強みを見つけよう
なので、経営企画においては、まず自分の強みを作ることが何より重要です。
現場との距離が近いのであれば、現場寄りの業務を行い、戦略をより細かく戦術に落とし込み、実現していくべきです。
業務が多岐にわたるからこそ、自分ができるところからしっかりと地に足をつけて業務を進めていくことが、経営企画においては求められるということです。
経営企画を目指すには?
周囲と仲良くする
このように、経営企画は、会社のその時々に合わせて、経営者が必要なメンバーを集めるというやり方で組成されるのが一般的です。
なので、経営企画は、企業の中でも少数精鋭のエース級が集まるセクションとなることが多いです。
そんな経営企画に入りたい!と思う場合、まず何より要求されるのは、高いコミュニケーション能力です。
ただ、ここでのコミュニケーション能力とは、場を和ませるムードメーカー的なものではなく、会社の意思決定にかかわる重要人物に顔が利くという意味です。
経営陣であっても、現場のベテランが目の上のたんこぶになっていることは往々にしてよくあります。
そういった人物と気軽に話をし、戦略を実現するための戦術を柔軟に立てられる人材が経営企画にいると、経営陣としても大助かりです。
視座を高く持つ
また、経営陣は、経営企画のメンバーと話をするとき、基本的には中長期的な目線で話をします。
初めから戦術レベルで細かく毎回話ができるなら、直接現場に話をした方が早いです。
なので、経営企画は経営陣と同じ高い視座で話をする人材を求めます。
担当者であっても、部長だったらどうする?経営者だったらどうする?という高い視座で物事を考える癖がついていれば、経営企画に近づいているといえるでしょう。
数字に強くなる
最後に、経営企画では、定性的な観点だけではなく、定量的に経営が上手くいっているかを推し量る力も求められます。
なので、数字に強いことも求められます。
「営業的な勘」だけに頼らず、計画進捗や今後の見込みを数字で勝たれる人材になっておくことが欠かせません。
コメント