【趣味のお話】映画:スパイ・ゲーム

映画

こんにちは。ヒトツメです。
今日は、2001年のトニー・スコット監督の「スパイ・ゲーム」という映画の紹介です。
スパイ・ゲームと聞くと、派手なアクションを想像すると思いますが、この映画は、派手なアクションこそほとんどないものの、ストーリーが良質で、常に緊張感をもって見られる良作です。

Amazonプライム無料体験はこちら

スポンサーリンク

「地味なCIA」そのもの

この映画は、主演のロバート・レッドフォード演じるネイサン・ミュアーが、かつての部下でスパイ業の弟子ともいうべき、ブラッド・ピット演じるトム・ビショップを救うために、CIA本部で様々な画策を行っていく物語です。トム・ビショップは中国の刑務所に忍び込み、ある人間を救おうとする過程でつかまり、24時間で殺されてしまう、という状況に陥ってしまいますが、それをネイサンがどのように救い出すか、というのがこの物語の主軸です。
そうやって聞くと、ロバート・レッドフォードがブラッド・ピットを救うためにド派手なアクションを繰り広げるような場面を想像するかもしれませんが、前述の通り、この映画にそのような場面は登場しません。

よく、「CIAは思っているより地味な仕事だ」という話を聞きますが、この映画はそれをそのまま表現しているような作品だと思います。とにかく地道に情報を収集し、人脈を駆使しながら作戦を練り、自分の思う方向に物事を導いてきます。危険で成功率の低いアクションは不要で、観察眼と明晰な頭脳が必要だということを、ひしひしと感じさせます。
実際、ネイサンはCIAの副長官などが集まる作戦室に呼ばれるところから物語は始まりますが、そこでも、捕まったトム・ビショップの情報を得るためだけに呼ばれており、大々的な救出作戦を繰り広げるために、といった目的では呼ばれません。

師弟愛と世代交代

物語は、ネイサンがトムとの出会いを語り、徐々にトムの姿が明らかになっていきつつ、同時並行でネイサンがトムを救い出すための様々な工作を繰り広げるような形で進行していきます。
人脈を使い、時にマスコミを操りながら、トムを救うために採りうる様々な方策を企てていきます。単に救い出すだけではむしろ問題を悪化させてしまう可能性があると考えているCIA本部は、ネイサンの動きに注視し、裏でネイサンの動きを妨害します。
まさしく「スパイ」というべき動きで対立していく、CIA職員の老練な動きが、物語に緊迫感を与えます。

トムの物語がネイサンの口から語られ、徐々に過去が明らかになっていくことで、そこにある師弟愛が浮き彫りになり、その師弟愛が、どのように彼を救うかというところに緩やかに結びついていきます。
それと同時に、渋い表情を見せるロバート・レッドフォードと、20年前のブラッド・ピットの掛け合いが、緩やかな世代交代を印象付けるような構成になっています。
なんとなく二人の顔が似ており、かつてのレッドフォードの歩んだ俳優人生のレールが、徐々にブラッド・ピットに受け継がれていくように感じさせます。

さいごに

正直、「スパイ・ゲーム」という題名から、あまり考えずに見れるアクションものを期待して観始めたのですが、徐々に物語に引き込まれていき、継続した緊迫感の中、しっかりと楽しむことができました。そういう意味では意外な収穫という感じだったのですが、「スパイもの=アクションもの」という最近の傾向に疑問を投げかける、しみじみとよさが伝わる良作だと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました