【独学で社労士!】国民年金法と厚生年金法の基礎

社労士試験
  • 国民年金法と厚生年金法は、平均点も低く難易度が高いといわれています
  • 一方で、用語の定義を覚えるところから丁寧に基礎を積み重ねていくと、自然と点数が伸びていく科目です
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年金法はなぜ難しいか?

用語と仕組みの複雑さ

社労士試験において、最後の2科目である国民年金法と厚生年金法は、平均点も低く、難易度が高いといわれています。

その理由の一つとして挙げられるのが、第1号被保険者や3号分割など、名称からは想像できないような定義が大量に存在するというものです。

ほかにも、付加年金や寡婦年金など、特別な状況に応じて給付される年金も数多く存在し、それぞれの関係性を理解するのが、非常に難しいからです。

加えて、いわゆる自営業の場合を除いて、国民年金においては、直接保険料を納めるという制度設計となっていないため、そもそもの前提を知らないと知識が結び付きにくいというのがあります。

制度設計を問うものが多い

一方で、国民年金法と厚生年金法は、基礎的な制度設計自体を問う問題が非常に多いのが特徴です。

労働基準法や労働安全衛生法などのように、事例や状況をベースに判断を迫るような問題はそこまで多くなく、基礎的な知識を身に着けておけば正解にたどり着けるものが多いです。

したがって、「過去問演習で局所的な知識や事例判断力を身に着ける」というよりは、基礎固めをしっかりと行い、「知識が有機的に結合している状態を目指す」ということが肝要となります。

国民年金法と厚生年金法の基礎

基本的な相関関係

そこでまずは、二つの法律の基本的な相関関係を理解しておくことが重要です。

上記にも記載しましたが、国民年金法は、保険料の納付を行うのは、いわゆる自営業である第1号被保険者と呼ばれる人たちだけです。

国民年金と厚生年金はよく2階建て構造といわれますが、この「2階部分」である厚生年金の被保険者は、厚生年金の保険料納付を通じて国民年金の保険料納付を行うので、直接納付することはありません。

このように、厚生年金保険の被保険者である人は、国民年金法では第2号被保険者となり、また、第2号被保険者の配偶者で、第2号被保険者の収入によって生計を維持する者は第3号被保険者となります。

まとめると、次のようになります。

  • 第1号被保険者:自ら国民年金の保険料を納める者。第2号と第3号以外の人
  • 第2号被保険者:厚生年金保険の被保険者でもある者
  • 第3号被保険者:第2号被保険者の配偶者。第2号被保険者に代わりに保険料納付してもらう人

老齢基礎年金の基本的な支給要件

このような被保険者への国民年金(老齢基礎年金。一般的に年金と言うと想像するもの)の基本的な支給要件は、保険料の納付をし、または免除された期間が10年以上あることです。

その場合、20歳から60歳までの40年間納付した場合を満額として、納付の年数や一部免除の割合に応じて、国民年金が支給されます。

ただ、20歳から60歳までというと、学生の人もいれば、制度自体が比較的新しいので、過去国民年金の保険料を納められなかった人も存在します。
あるいは海外に在住しており、被保険者とならなかった人もいます。

そこで、年金額に影響しないものの、「支給要件を満たすためだけに加算する期間」という制度が置かれています。
これを合算対象期間といいます。

合算対象期間は、例えば60歳以上で厚生年金の被保険者だった期間などが含まれます。

老齢厚生年金の基本的な支給要件

これに対して、老齢厚生年金の場合、被保険者期間が1月以上あれば、受けることができます。

尤も、国民年金による基礎年金の受給権を持っている必要があるので、ただ国民年金の第2号被保険者期間が1月あるだけでは基本的には足りません。

一方で、第1号被保険者としての保険料納付済期間が10年以上あり、老齢基礎年金を受けられる状態にあれば、1月でも厚生年金の被保険者期間があれば給付を受けることができます。

個別調整の問題が多数

このように、「基礎的な保険料納付の期間に応じて支給される国民年金」と、「少しでも被保険者期間があれば給付を受けることができる厚生年金」、という2階建て構造を基本的な構成としています。

一方で、制度自体は昭和61年4月に今の構成になっており、それ以前から旧法の被保険者であった人など、国民には様々な属性がいます。

中には離婚をしたりというケースも存在しますし、もっと支払って年金を多くしたいというニーズも存在します。

このような個別な事情にこたえるように最大限工夫をしているのが、その他の付加年金や寡婦年金の制度です。

このような制度も、基本的な年金給付ではどのように対応できないかをしっかり頭に入れておくと、理解がスムーズです。

まずはしっかりと基礎的な知識を入れ、新たな知識が有機的に結合されるベースを作ることが肝心です。

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